【MX Linux】WineでOffice2000をインストールしてExcelとWordの動作確認
- はじめに
- Debian - WineHQ Wikiの方法
- MX Linux 19にWineをインストールする方法
- winetricksで日本語の文字化け対応
- CDROMからOffice2000をインストール
- Excelの動作確認
- Wordの動作確認
- 参考
- まとめ
はじめに
前回Ubuntuで動作確認した際に、Debian - WineHQ Wikiのインストール方法を見つけた。
その方法でMX LinuxにWineを使ってOffice2000をインストールしてみる。
Debian - WineHQ Wikiの方法
変更があるかもしれないので、コマンドの詳細はリンク先のURLを参照してください。
32ビットを有効にし(dpkg --add-architecture)、レポジトリーキーを追加(apt-key add)し、Debianのバージョン(Debian 10 Buster)に対応する内容を/etc/apt/sources.listに追加する。
パッケージを更新し、安定版のwinehq-stableをインストールすると、次のエラーが出た。
$ sudo apt install --install-recommends winehq-stable パッケージリストを読み込んでいます... 完了 依存関係ツリーを作成しています 状態情報を読み取っています... 完了 インストールすることができないパッケージがありました。おそらく、あり得 ない状況を要求したか、(不安定版ディストリビューションを使用しているの であれば) 必要なパッケージがまだ作成されていなかったり Incoming から移 動されていないことが考えられます。 以下の情報がこの問題を解決するために役立つかもしれません: 以下のパッケージには満たせない依存関係があります: winehq-stable : 依存: wine-stable (= 6.0.0~buster-1) E: 問題を解決することができません。壊れた変更禁止パッケージがあります。
依存関係を調べると、エラーの原因としてlibfaudio0が見つかる。
$ sudo apt info libfaudio0 Package: libfaudio0 State: 実際のパッケージではありません (仮想) N: 候補が存在しないので、パッケージ libfaudio0 の候補バージョンを選べません N: 純粋な仮想パッケージのため、パッケージ 'libfaudio0' のバージョンを選べません N: パッケージが見つかりません
MX Linux 19にWineをインストールする方法
この方法ではインストールできないのかと思ったが、How to Install Wine on MX Linux 19にエラーの解決策が記載されていた。
opensuseのレポジトリからamd64とi386の両方のlibfaudio0のdebファイルをダウンロードしてインストールした。そのおかげでwinehq-stableのインストールエラーが解消し、インストールできた。
変更があるかもしれないので、コマンドの詳細はリンク先のURLを参照してください。
winetricksで日本語の文字化け対応
Office2000のインストールで日本語が文字化けするので先に対応しておく。
sudo apt install --install-recommends winetricks
winetricks fakejapanese_vlgothic
初回起動時のみ時間がかかる。~/.wineにあるWine設定の更新に6分ほど時間がかかり、~/.wine以下に'Program Files (x86)'などのWindowsのCドライブの環境が構築された。
途中でwine-monoを一回、Geckoパッケージを二回インストールするように促された。
付け加えると、wine regedit
でレジストリエディタが起動し、[HKEY_CURRENT_USER\Software\Wine\Fonts\Replacements]にあるMeiryo UI
がVL Gothic
に変更されたことを確認できる。
sudo apt install zenity
を実行し、winetricks
でGUIを起動できるようにした。このGUIでSelect the default wineprefixの次にInstall a fontでフォントパッケージのインストール画面になる。
フォントが小さかったので、winecfg
で画面の解像度を168dpiに変更した。
Ubuntuと同じフォントのSource Han Sans
をインストールしたかったができなかった。
CDROMからOffice2000をインストール
Office2000のCDROMを入れ、CDROMの場所でwine ./SETUP.exe
を実行する。
するとUbuntuと同じく、互換性のないバージョンのOLEAUT32.DLLが原因でエラーが出た。
このエラーは、WindowsのSysWOW64にある64ビットのoleaut32.dllをsyswow64にコピーして対応できた。
cp /media/user/xxx/Windows/SysWOW64/oleaut32.dll ~/.wine/drive_c/windows/syswow64/
一時的な動作確認が目的なので、WordとExcelのみをチェックしてインストールした。
Office2000のライセンスを読むと、「そのコンピュータを使用する方が特定の 1 人に限られている場合、そのコンピュータに組み込まれている本ソフトウェア製品を同時実行しない限り、その方が専用に使用される別の 1 台の携帯用コンピュータ上にて本ソフトウェア製品を実行することができます」とある。同時実行しない別の1台の携帯用コンピュータだと言えば他のコピー 1 部を削除しなくてもライセンスを満たすと思う。
Excelの動作確認
次のコマンドでExcelを起動する。
wine ~/.wine/drive_c/Program\ Files\ \(x86\)/Microsoft\ Office/Office/EXCEL.EXE
winecfg
で画面の解像度を変更したおかげで、Ubuntuで気になったシート名の文字が大きくなった。メニューのフォントが美しくないが、シート内のフォントがVLゴシックになりとても美しくなった。ピボットもグラフも使え、漢字入力もできた。
安定してるが一度だけ強制終了したので不安が残ると思う。
Wordの動作確認
次のコマンドでWordを起動する。
wine ~/.wine/drive_c/Program\ Files\ \(x86\)/Microsoft\ Office/Office/WINWORD.EXE
Wordは使えないと思う。Ubuntuと同じく、改行後の入力で劫のような文字が入り、バックスペースで戻った後の入力で直前の一文字が消える。このようなことはExcelでは起きない。
Excelは1秒もかからないのに、Word起動するまでに30秒も時間がかかった。UbuntuのWordではこのようなことはなかった。
参考
- [MX Linux 19 – How to Install Wine on MX Linux 19] WineをMX Linux19にインストールする方法。
- [libfaudio0 for Wine 4.5 and Later] Wine4.5以降でlibfaudio0の特別対応が必要になったという記事。
- [Ubuntu - WineHQ Wiki] WineをUbuntuやLinux Mintにインストールする方法が記載されている。
- [Debian - WineHQ Wiki] WineをDebianにインストールする方法が記載されている。
- [WineHQ - Microsoft Excel] ExcelのバージョンごとにGoldやSilverなどの評価がある。
- [WineHQ - Microsoft Word] WordのバージョンごとにGoldやSilverなどの評価がある。
まとめ
WordとExcelの一時的な動作確認が目的でMX LinuxのWineでOffice2000をインストールした。WineHQのレポジトリから安定版(6.0.0~buster-1)をインストールする方法を使った。
winetricks fakejapanese_vlgothic
でフォントを美しくできた。winecfg
で画面の解像度を変えることでフォントを大きくできた。
WineのWordは使えないが、WineのExcelは使えると思う。LibreOfficeのWriterが文書作成で十分使えるので、WineのWordが使えないことはあまり気にならないと思う。